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介護施設探しのお役立ちガイド

お役立ちガイド大項目 ~費用~

高齢者住宅を探す時、大きな目安の一つとなるのがやはり「料金」です。高齢者住宅の入居に必要な費用は、大きく分けて2つ。「入居時にかかる費用」と「月々にかかる費用」です。介護サービスの費用や食費(月額費用に含まれる場合もあります)も、月額費用に含まれない場合は別途発生。そのほかオムツ代などの実費や医療費などが発生します。

高齢者住宅で生活するための費用を算出するために、まずは何にお金がかかるのかを整理してみましょう。

「入居時にかかる費用」~入居一時金~

入居一時金とは、入居する際に必要な費用のことで家賃の前払いという意味合いを持っています。入居後、一定期間で償却され、償却前に退居・死亡した場合には一定額が返還されることとなります。ただし各施設によって償却期間・返還される場合の計算方法が異なりますので、必ず事前に確認しておくことが大切です。

(2011年の老人福祉法の改正により、【事業者が受領できる前払い金は、「家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価」】とされ、「権利金その他の金品」名目での受領が禁止されました(老人福祉法第29条第6項)。施行日は平成24年4月1日ですが、既存施設には3年間の経過措置があるため、平成27年3月31日までは従来のままでも可能です。)

入居一時金の金額は施設によって様々で、0円から数千万円、中には一億円以上する施設まであります。事業者は、入居一時金で建物や設備にお金をかけることができるため、入居一時金が必要なホームは比較的空間にゆとりがあるホームが多く、ロビーが充実していたり居室が広いといった傾向があります。また入院が長期にわたる場合にも部屋の確保を約束してくれたり、介護が必要になった場合に介護棟に移れるよう配慮しているホームもあります。月々の支払いでは家賃という項目がないか、低く抑えられているのが一般的です。

また最近では、敷金方式を採用しているところも増えており、入居一時金は必要なく、その代わりに一般的な賃貸契約と同様に敷金が発生し、入居後には毎月家賃を支払うことになります。

「返還金と償却期間」

ほとんどの施設では一定の期間内に施設を退去する人に、入居一時金を返還する制度を設けています。入居と同時に一定額が償却された後、残りの金額を均等に償却していくというもので、償却期間としては5~15年が多いようです。逆に償却期間を過ぎても再度払う必要はありませんし、90日以内の退去にはクーリングオフが適用されることも覚えておきましょう。
※償却とは・・・一時金の預かり分を、時間をかけて少しずつ消化していくことです。

~返還金例~
入居一時金600万、初期償却20%、償却期間5年(60カ月)の有料老人ホームに入居し、3年(36カ月)で退去した場合

一時金600万 - 初期償却20%120万 - 36カ月/60カ月 × 残りの一時金600万-120万 =返還金192万

「月々にかかる費用」

毎月かかるお金には、「管理費」や「食費」、「家賃」、「水光熱費」、「介護保険一割負担分」や「生活支援費」などがあり、それらの費目を合算したものが毎月の支払額になります。費目については、同じサービス内容でもホーム独自の費目名で呼ばれていたり、サービス内容が異なる部分もあるので、入居前に具体的な内容を確認することが大切です。

月額費用も10万を切るところもあれば20万を超えるところもあり、施設によってまちまちです。月額が安いと喜んでいると食費が含まれていなかったり、反対に他と比べて高いけれど生活サービスの内容をみると、病院の付き添いや薬の受け取り、入院中のお見舞いといった手厚い介護ケアまでが含まれているところもあります。総額だけで判断するのではなく、一つひとつの内容をチェックしましょう。

家賃

広さや設備によって金額が設定されています。
 一般の賃貸住宅と同様に部屋を使用する月々の料金で、広さや設備によって金額を設定しているホームがほとんどです。家賃については、長期入院の場合や一時帰宅など、ホームを離れる場合の対応について確認が必要です。入居一時金として一括前払いをしている場合は、月々に支払う「家賃」は発生しません。

水光熱費

管理費に含まれる場合、実費で支払う場合があります。
介護が必要な方が入居する場合は管理費に含まれることが多く、自立の方の場合は使用分を実費で支払うことが多いようです。さらにホームによっては、光熱費を個人で契約し、水道代はホームへ支払うところ、すべての公共料金を個別契約にしているところなどさまざま。居室に持ちこんだ家電製品1個につき、毎月決まった料金を請求しているホームもあります。

管理費

共有部分の維持費や人件費に充てられます。
多くの場合、施設の共有部分の維持管理、水光熱費、事務や管理を担当するスタッフの人件費、消耗品費などに充てられています。具体的に含まれるサービス内容については、入居前にホームに確認しておくと安心です。

食費

基本的には1日3食、実食分が請求されます。
施設によっては、利用回数に関わらず最低料金を設定しているところもあります。食費とは別に「おやつ代」が必要なホームもあります。

介護保険一割負担分

介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、原則として介護サービスにかかった費用の1割です。仮に1万円分のサービスを利用した場合に支払う費用は1千円ということになります。利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています。1カ月の負担金目安は以下の通りです。

要支援1

4,970円

要支援2

10,400円

要介護1

16,580円

要介護2

19,480円

要介護3

26,750円

要介護4

30,600円

要介護5

35,830円

※2014年3月13日現在の福岡市の介護保険制度の支給限度額の単位数から算出/単位:円

介護サービス利用料

自己負担が必要な介護サービスのことです。
介護保険で決められた限度額を上回るサービス「上乗せサービス」、介護保険給付の対象になっていない「横だしサービス」があり、利用者の全額負担が必要な項目です。サービス毎に細かく費目を立てずに、一律の料金を請求するところもあれば、サービスを受けるたびに追加料金が加算されるところもあります。

その他

入居者やホームによって、かかる費用はさまざまです。
レクリエーションへの参加費やおむつやウェットティッシュなどの消耗品費、クリーニング代など毎月変動する費目です。その都度支払うこともあれば、ホームが立て替えた分を翌月に支払うこともあります。なかには、入居者のお小遣いとして一定のお金を預かるホームもあるようです。